【研究】野生オランウータンの双子が育った事例

2007年に一部で報道された、ボルネオ島サバ州(マレーシア)のキナバタンガン川流域で、野生のオランウータンが双子の赤ちゃんを連れていた、という話、後日談が論文になっていました。

Goossens B, Kapar MD, Kahar S, Ancrenaz M (2011) FIRST SIGHTING OF BORNEAN ORANGUTAN TWINS IN THE WILD. Asian Primates Journal 2:10-12
※オープンアクセス、英語ですがカラー写真が掲載されています

2009年にも同じ母子が観察されていて、双子は健康そうだった、とのこと。
すでに母親と同じ食べ物(イチジクの葉)も口にしていたので、離乳のプロセスも順調にすすんでいるのではないか、と指摘しています。
オランウータンは1歳未満での死亡例は数例報告されていますが、野生では3~6歳(離乳が始まって、独り立ちするまでの間)の死亡例の報告はほとんどないので、一番危ない時期はすでに乗り切った可能性が高そうです。
3歳すぎると、食べ物も自力で摂取して、移動も自分でできるようになっていくので、母親の負担は減っていくでしょう。

2011年の観察では、母子のそばに姉と思われる若い雌もいたそうなので、もしかしたらこのお姉さんが子育てを手伝ったから、双子でも育てられたのかもしれません。

いずれにしろ、野生のオランウータンでのほぼ確実な双子の報告は世界で初めて、しかも3歳近くまで無事二頭とも育てたというのは、かなり貴重な例でしょう。

じつはダナムバレー保護区でも双子とおぼしき母子3頭が観察された例があるのですが(人づてに聞いたので、私は見ていませんが)、写真などの証拠がなく、赤ちゃんもまだ小さかった(生後6ヶ月位)のと、その後の観察例もない、という状況です。
人間が知らない(見てない)だけで、本当はもう少し、双子は生まれているのかもしれません(とはいえ、飼育下でのオランウータンの双子の出生率は、チンパンジーやゴリラに比べると低いようですが;今までに3例しか報告がない)。

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