【ニュース】 オランウータンのカニバリズム

昨年の国際霊長類学会で発表された、スマトラ島でリハビリテーションセンター出身の雌のオランウータンが、自分の子供の死体を食べた、という話、最近国際的な学術雑誌で正式に報告されて、BBCのニュースになりました。

BBC Earth News
Orangutans cannibalise own babies
(動画あり)

元ネタの論文
Dellatore DF, Waitt CD, Foitova I. in press. Two cases of mother–infant cannibalism in orangutans. Primates. (DOI: 10.1007/s10329-009-0142-5)

同種個体の死体を食べる、という話はチンパンジーではすでに報告があるけれど、自分自身の子供の死体を食べた例は、類人猿では未だかって報告はない。
この2頭のオランウータンがこうした行動をとった原因はよくわからないけれど、この地域ではエコツーリズムという名の下に、観光客が日常的にオランウータンに餌を与えたり、触ったりしていることが、大きなストレスになって、異常行動を引き起こしているのかも、というのが論文の筆者、Dellatoreさんの推測です。

エコツーリズムという名の下に行われる観光が、かえって自然環境を破壊し、動植物や地域住民の生活に悪影響を与えている例は最近多いけれど、これも相当ひどい話。
スマトラ島のこの地域では、このカニバリズムだけでなく、オランウータンの死亡率が異常に高いので、観光客との接触によって病気が伝搬したり、栄養が偏っているからでは?、という話もあるし。

現在、Dellatoreさんは、Sumatran Orangutan SocietyというNGOの活動として、この地域でのエコツーリズム事業の改善に取り組んでいます。

(実は私の書きかけの論文の共同研究者なので、彼の為にも、この論文を早く仕上げないといけない…)


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