【独り言】 妊娠・出産・子育て~動物園と現代人~

いつブログ上でカミングアウトしようかなぁ~と迷っていたのですが、安定期に入ったし、最近胎動を感じるようになったので、カミングアウトすることにしました(色々書きたくなってきたし)。
今、妊娠20週(6ヶ月に入ったところ)で、6月に出産予定です。
4月までは普通に働いて、5月~12月は産休&育休をとるつもりです。
育休中も細々とブログの更新は続けたいと思っていますが、どうなることか?

妊娠してから、一つ発見がありました。それは
「動物園の類人猿と現代人の妊娠・出産・子育てを取り巻く状況がよく似ている」
ということです。

ここで言う現代人とは、今の日本に多い、核家族で生まれ育った人を想定しています。
何が似ているかというと、大きく2つあると思うのですが、1つは「自分が子どもから大人に成長する過程で、他人の子育てに接した経験を持っていない」という点です。

妊娠がわかった時に私がまずしたことは、いくつかの妊娠や出産に関する本や資料を集めたことです。
病院で「今○週ですよ」と言われても、それが具体的にどんな状況を意味するのかさっぱりわからない。
これからどういう過程で妊娠が進行するのかも漠然としかわからない。
何をしてよくて、何をしたら悪いのかも、漠然としている(これは調べても、本によって、人によって、大分意見は違う)。

きっと動物園で育った類人猿も同じだと思うのです。
人間は言葉があって、本を読んで、人から話を聞いて情報を得て、経験や知識の不足を補うことができますが、気の毒なことに、類人猿には経験不足を補う手っ取り早い手段はほとんどない。
赤ん坊の姿すら見たことがないメスが、出産する。
パニックになったり、赤ん坊に関心を持てなかったり、どう扱っていいかわからなくて、ある意味当然。

よく、「人工哺育で育てられた類人猿は、上手く子育てできない」と言われますが、私はむしろ「他個体が子育てする姿を見たことがないと、上手く子育てできない」じゃないか、と最近思うようになりました。
私自身は母親に母乳で育てられましたが、自分が赤ん坊の時のことなんて、ほとんど覚えていません。
どちらかといえば覚えているのは、8つ下の妹のこと。
夜泣きうるさくて夜寝られないとか、ボロボロこぼして食べるとか、遊んでいる間に寝入ってしまう、などなど。
多分、自分が子育てを始めてからも、思い出すのは自分のこと以上に妹のことなんじゃないかと思います。

野生の類人猿は、年の離れた(4~8年)の弟妹を母親が育てる姿を見ながら成長します。
自分の母親以外のメスの子育てを見る機会もあります。
弟妹や年下の子どもと一緒に遊んだり、子守りをすることもあります。
単独性のオランウータンですら、時々母親のもとに戻って、弟妹と遊んだり、母親以外の子持ちのメスの後をついて歩き、年下の子どもと遊ぶこともあります。
でも動物園で育った類人猿には、そうした機会がほとんどない場合も珍しくありません。

自分の経験も踏まえて思うのは、自分自身がどういう風に育てられたか、というだけでなく「誰がどんな風にどんな子を育てていたか」という知識や経験も大事なのでは、ということです。
よく子どもはみんな違う、子育てに正解やゴールがない、ということが言われます。
自分が子どもから大人になる過程で、色々な親子の姿を見ていれば、そんなこと言われなくても実感できると思うのです。

私はじつは、人間の子育てよりオランウータンの子育てを見ていた時間の方が長いので、今も(そして多分これからも)思うのは、「オランウータンの子育てだって、お母さんによってずいぶん違う」、ということです。
放任主義じゃないかと思うぐらい、子どもの好きなようにさせるお母さんもいれば、過保護じゃないかと感じるぐらい、子どもをなかなか独りにさせないお母さんもいる。
でもやっぱり子どもの成長過程にあわせて、お母さんも少しづつ行動を変えていく。
とっても忍耐強く子どもを待っていたお母さんが、別な時には「もう我慢できないわ!」という感じで子ども無理矢理連れて行こうとする時もある。
それでも、ちゃんと子どもはみんな大きくなっていく。

でも自分が親に育てられた、その経験しか持っていなかったら、いくら人に色々言われて、本を読んだりしても、拠り所にしてしまうのはやっぱり自分の経験になってしまうのでは、と思います。
それに自分が経験したことがないことに遭遇すると、どうしたらいいかわからなくなってしまったり。
でも色々な親子を見ていれば、自分自身が経験していなくても「あの時にあの人はこうしていたなぁ」と思えるかもしれません。


もう一つ、現代人と動物園の類人猿に共通するだろうなと思う点は、「本来の生息環境とは著しく違う環境で妊娠・出産・子育てしなければならない」という点です。

じつは私は最初、助産院で出産しようと考えて、見学に行きました。
その時助産師さんに、「現代的な生活をしている女性は、きちんと食事に気を配って、運動をして、妊娠中から何ヶ月もかけて出産に向けた『体づくり』をしないと、安全に『自然なお産』をすることはできないんですよ」と言われました。
私は出産までの自分の生活(京都での一人暮らし、マレーシアでの不規則で不自由な生活)を考えると、とても助産院で指導されるような体づくりはできない、と思いました。
なので、いざとなったら医学的な処置ができるクリニックで出産することにしました。

これって、動物園の類人猿にもあてはまるのでは?と思いました。
本来の森での生活は、毎日、何百m、何kmと移動して、甘い果物を食べられることもあるけど、時には葉や木の皮、草でうえをしのぐこともある。
でも動物園では、ほとんど動くこともなく、リンゴやバナナなど栄養価の豊富な食べ物ばかり。
そうしたことが、本来もっているはずの「自然に出産」できる能力を奪い、出産時のトラブルを引き起こす。


人間の女性には「母性本能」が備わっていて、出産・子育ては自然にできて当たり前、なんて考えを持っている人は、さすがに少なくなってきていると思いますが、じつは類人猿だって一緒なのです。
今回は類人猿に限定してしまいましたが、多分、もっと広い範囲、少なくとも哺乳類のレベルでは、動物園で飼育されていると、「子育てを見聞きした経験がない」とか「本来の生息環境とは著しく違う環境で出産・子育てする」という要因が、大きく影響してしまう種は沢山いるのだろうな、と思います(あまり影響しない種もいるでしょうが)。


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この記事へのコメント

岩田です
2009年01月24日 17:37
おめでとうございます!!
私はマニラでラマーズ出産しました。
夫は亡くなったので、義姉がパートナーでした。
ご自分の納得のいく出産が出来ますように。
本ですが、私は産科医から・友人から本を貸してもらい何冊か読みましたが、アメリカ・欧州・日本と読み比べたので違いも楽しめました。日本は母は子の為に自分は我慢するのが当然というスタンスで、今は違うかもしれないけど、国民性というか日本文化だなと思わされました。お時間があったら他国の物も読まれると面白いですよ。
妊娠後半はお腹が大きくなるので、足の爪を切るのも出来なくなりました。一人暮らしは早めに切り上げた方が
肉体的に楽かもしれません。
産科医不足の折、分かり合えるお医者様に出会えることをお祈りいたします。
本当におめでとうございます。
nouko
2009年01月24日 23:23
岩田ですさん、貴重な出産の経験のお話、ありがとうございます。

異文化の出産といえば、マレーシアでは出産日を(陣痛促進剤や帝王切開を使って)思い通りにコントロールする人が珍しくないそうです。
例えば2月29日に出産したり(4年に一度しか年をとらないからとか?)、自分と同じ誕生日にするとか、多分たいていの日本人には「えっ?」と思うような理由で、出産日を自分で決めて、あらゆる手段を使って実行に移すらしいです。

一人暮らしは一応3月で切り上げる予定です。
でも一所に落ち着いて暮らせるようになるのは、臨月になってからになりそうです…

分娩の病院ももう決めて予約してあります。
まだ出産予定日まで6ヶ月もあるという時期に病院探しをしましたが、それでも1軒目には(すでに予約でいっぱいだと)断られました。
2軒目のところがOKだったので、助かりましたが…産科医不足を実感させられました。

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