激痛体験

この1年半、腱鞘炎の治療のために整体に通っています。
「プロの演奏家ですら、こんなにひどい腱鞘炎にかかっているのは、ほとんど見たことがない」と先生にいわしめた、重症の腱鞘炎。
この治療が、すごい。
先生が患部を指や木or金属の細い棒で「ゴリゴリ」とマッサージして、炎症を起こして筋膜にべっとりはりついている腱を剥がす、というものなのですが、

劇劇劇劇劇劇劇劇劇劇劇劇劇劇劇劇劇劇 痛

1時間、叫びっぱなしです。知らない人が見たら、拷問にしか見えません…
以前、隣で治療を受けていた中年の女性が「分娩室にいるかと思っちゃうわ」と言っていた。

この体験を通して私が学んだ「痛み」の段階

1.「痛っ!」とか言っている段階。会話もできる。
2.呼吸が「ラマーズ法」になる。体が反り返ってくる。会話が難しい
3.「ギャー」「ウワァー」など叫び声とともにジタバタする。涙も出る。
4.理性が吹っ飛び、獣になる。叫び声と痛み以外、全ての感覚がなくなる。

叫び声を出さないと、痛みに耐えられない。1時間叫びっぱなしだと、喉がからからになって声がでなくなる。そして声が出なくなると治療を続けられなくなる。
よく小説や映画で、拷問される人がうめき声をあげない、とかあるけど、叫び声を出さずに痛みに耐えられる方法ってあるのかなぁ。ちなみに私は痛みのあまり気絶したことはまだない(気絶できたらどんなにいいか…)。
それと、叫ぶことによって脳内麻薬の分泌が促進されていると思う。
治療が終わったあとは、「頭が真っ白」という表現がぴったりの、麻酔から覚めた直後のようなぼんやりした状態になる。おそらく脳内で極限まで麻薬物質が分泌されているのだろう。

あと、この治療を受けて、「虐待を受けている人は痛みを感じなくなる(外界とのつながりを遮断する)」、というよく聞く話を少し理解できたと思う。
痛みを感じる経験を重ねると、「痛みを感じると自分」と、「それを冷静にみている自分」を感じる。
自分の体は「ギャー」とか叫びながらジタバタしているんだけど、意識では「草食獣が肉食獣に生きたまま食べられる時の感覚ってこのぐらい痛いのかなぁ。」とか考えながら、昔アフリカで見たイノシシがライオンに生きたまま食われている姿を思い浮かべたり。
痛みの経験を重ねるほど、施術中のこの意識と体の分離が進む気がする。

が、痛みがさらに(今のところの)最終段階4に達すると、この意識さえ吹っ飛ぶ。この前それを初めて経験して驚いた。
獣になる、というか「ヒト」として統合されている感覚の崩壊、みたいな。
全然今まで知覚したことのない、原始的というか、違う感覚世界に放り込まれた感じだった。

さて、痛みに耐えたかいがあって、そろそろ治療が終わりそうです。
そうなると、この経験が惜しくなってくる。
「血液とか採取して、分泌物とか調べればよかったかも」、とか「MRIや光トポグラフィとかで、絶叫している時の脳の状態を測っておけばよかった」とか。
だって、実験できないですよ、これは。
どんな大金払ったって、まっとうな方法では被験者は探せない。拷問ですから。
私だって、治療が終わったら二度と味わいたくなし、「治療」という目的がなかったら耐えられない、こんな痛み。
絶叫する時としない時での脳の状態とか、脳内麻薬の分泌量とか、絶対違いがある気がするんだけど。
せめて、絶叫を録音しておこうかとは考えている。


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