動物行動学入門

「利己的遺伝子」、「人間の行動と進化」、「動物行動学」等々に興味を持ちはじめた人に勧める本&ブログ(初学者向け)

1.長谷川真理子「雄と雌の数をめぐる不思議中公文庫」
とりあえず安価な文庫本で手軽に読める、動物行動学の入門書となるとこれ。
動物行動学、進化に関する本では、長谷川真理子先生の著作を選べば、失敗することは少ないと思う。翻訳も良書が多く、読みやすい。


2.長谷川 寿一・長谷川真理子「進化と人間行動」
進化心理学入門書としては定評がある。でも1の文庫の内容が含まれているので、1を読んでから読むと、損した気分になるかも…
1とセットなら長谷川真理子「進化とはなんだろうか」岩波ジュニア新書を読む方がいいかな。


3.進化心理学・人間行動生態学(ブログ)
http://homepage1.nifty.com/NewSphere/EP/index.html

進化心理学を中心とした関連分野の情報が質・量ともに充実している。特にネット上の情報と書籍に関する情報が豊富。
ここで気になるトピックの本を、コメントを参考に選ぶといいかも。


!要注意!【動物行動学入門本】
Amazonの動物学の「売れている順番」をみるとがっくりする。
以下の本は、初心者が読む際は十分注意しましょう。間違った知識をうのみにする危険性大。

1.竹内久美子の著作
おそらく日本で最も有名でよく読まれている動物行動学ライター。でも動物行動学や進化心理学、行動生態学の知識のない人がいきなり読むのは危険。
なぜなら、彼女の本を読むと「不機嫌なジーン」の南原教授になっちゃうから(苦笑)
色々問題はあるのですが、私が一番問題だと思うのは「自然主義の誤謬」-人間が進化過程で得た性質は「~である」ので、人間は「~すべきである」という主張すること-に読者が陥る危険性が高いこと。
進化における適応と、人間の生き方は別ですから!残念!

2.「ソロモンの指環―動物行動学」ハヤカワ文庫NF
この本を読んで動物行動学を志した、という研究者は、結構多い。
でもあえて「注意を要する本」にあげます。なぜなら現在では科学的に誤っている、とされている知見をうのみにしてしまう危険性があるから。

「動物は『種の保存のため』には行動しません」から!残念!

この本が未だに売れるってことがそもそも問題(と若手行動学者達がぼやいていたことがあった)。日本の動物行動学者が一般向けに読みやすくて魅力のある本を書いていない、ということだよなぁ。
古典的なある種の文学作品としてなら、十分オススメできます。



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この記事へのコメント

2006年01月24日 10:05
初めまして。将来は動物学者になりたいと思っています。ソロモンの指環を見て、動物学者になろうと思いました。できれば、手始めといいますか、簡単な本を紹介してもらえませんか?お願いします。
nouko
2006年01月24日 10:41
椛さんへ
(重複したコメントは削除させてもらいました)
長谷川真理子さんの「生き物をめぐる4つの「なぜ」」(集英社新書)が入手しやすく、読みやすいと思います(比較的新しいしい。2002年刊行)。
今でも動物行動学の基本である「ニコ・ティンバーゲン4つの問い」が主題なので、行動学の入門書としては最適です。

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