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zoom RSS 【ニュース】オランウータンの3番目の新種が報告される!

<<   作成日時 : 2017/11/04 00:03  

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スマトラ・オランウータン、ボルネオ・オランウータンに次ぐ、第3の種としてオランウータンが報告されました。

Morphometric, Behavioral, and Genomic Evidence for a New Orangutan Species
Current Biology http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2017.09.047
※オープンアクセス

付録(Supplemental Information)にも興味深いデータが掲載されていますので、興味ある方は、ぜひ「Extended PDF (2 MB)」をダウンロードして下さい。

日本語のプレスリリース
オランウータンに「縮れ毛」の新種 インドネシアで発見
朝日新聞 2017年11月3日00時47分

新種のオランウータン インドネシアのスマトラ島で発見
11月3日 5時03分 NHK NEWS WEB

オランウータンに第3の種 800頭、絶滅の危機
日本経済新聞 2017/11/3 17:12
※この記事はわかりやすくまとまっています。

オランウータンに新種…800頭、絶滅の恐れも
産経新聞 2017年11月05日 06時51分

新種のオランウータンを密猟と環境破壊から守れ
Newsweek日本語版 2017年11月6日(月)20時00分

新しい「ヒトの仲間」
西日本新聞 2017年11月07日

新種と絶滅
愛媛新聞 2017年11月14日(火)

*今後も記事があれば追記します。


<この論文のポイント>
・単なる新種というだけでなく、アジア大陸からスンダランドに進出した、最も初期のオランウータンの特徴を色濃く受け継いでいる種(少々乱暴ですが、わかりやすく例えるなら、日本の山奥の孤立した集落で暮らしている人達の骨とDNAを調べたら、縄文時代よりも前に日本にやってきた、初期のヒトの末裔だった、という感じ。あるいはアフリカで、チンパンジーとヒトの共通祖先の直系子孫が、今も生きていることが明らかになった、というような話)

・Tapanuliオランウータンは、以前はスンダランド全土に分布していて、そこから現在のスマトラ・オランウータンや、ボルネオ・オランウータンが誕生した。が今はトバ湖南部にわずかな個体が生き残っているだけ。

・以前からトバ湖の南部の個体群が、遺伝的には別種といっていいぐらい違う、という研究は発表されていたが、新種として記載するに至らなかった。今回、骨を入手して初めて新種として記載された。DNAで色々調べられ、分類がどんどん変わる時代だけど(だからこそ)、形態をきちんと調べて新種は記載するのが大事!ということを示した点で、霊長類学や人類学に留まらない意義があると思う。

・付録(Supplemental Information)では、(ボルネオやスマトラよりも)スマトラ島から出土した化石種(P. p. palaeosumatrensis)と、Tapanuliの歯の形態が似ている、というデータ(Figure S1. C)や、近親交配がかなりすすんでいるようだ、というデータも掲載されている(Figure S3)。

・筆頭著者のNaterは、オランウータンの集団遺伝学の論文を何本も出版している新進気鋭の若手研究者。共著者の霊長類の形態や分類の大家Groves、Wich・ Singleton・Meijaardはヨーロッパ出身で、保全活動に携わっている生態学者であり行動学者。 Goossensと Krutzenはオランウータンの集団遺伝学に関する大きなプロジェクトをリードしてきた研究者。社会生態学の大家でオランウータン研究の大御所、van Schaikも共著者に名を連ねています。


<論文の要約>
・スマトラ島のトバ湖南部で、1997年に発見された、孤立したオランウータンの個体群はスマトラ、ボルネオと並ぶ独自の種、Tapanuli orangutan (Pongo tapanuliensis)である

・発見当初から、行動と遺伝子のレベルで、このオランウータンは他種と区別されると考えられていたが、新種と断定できる十分な証拠がなかった

・2013年にブレイクスルーがあり、共著者のMeijaardらが(農業)害獣として殺された個体の骨格を入手した。頭骨と歯に関する慎重な研究の結果、新種であることが証明された。

・行動(ロングコール)も他種とは異なる

・37ゲノムを対象とした研究から、オランウータン3種は300万年前に別れたことが示された。ボルネオとスマトラが遅くとも70万年前に分岐したにもかかわらず、Tapanuliオランウータンは両種より「古い」(論文Fig.3B)

・Tapanuliオランウータンは、アジア大陸から(スマトラ/スンダランド)移入してきたオランウータンの生き残りで、現生Pongo属の中では最も古い。Tapanuliオランウータンは、スマトラオランウータンとわずかな遺伝的交流があったが(おそらく一部の雄が長距離分散した)、1〜2万年前からその交流も途絶え、孤立している。

・わずか800頭しか残っていないTapanuliオランウータンは、密猟にさらされ、水力発電のダム計画によって最良の生息地が水没する危機に直面している。既往の研究は年1%の死亡率がTapanuliオランウータンを絶滅させる、と指摘しているので、800頭のうち8頭が殺されるだけで、このオランウータンは絶滅する



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