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zoom RSS 【保全】 オランウータンと人権

<<   作成日時 : 2015/02/05 14:39   >>

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アルゼンチンの裁判所がオランウータンに人権を認める判決を出した件、続報が入ったので、更新

ブラジル保護区へ?=人権認定オランウータン−アルゼンチン
(2015/10/03-08:47 時事ドットコム)

30歳の動物園生まれ、動物園育ちのオランウータンをアマゾンの保護区に放すなんて、虐待に近いと思う、個人的には。
本当に人権を認めるというなら、サンドラ本人に選択させるべきでしょう。
少なくとも、保護区に放してから、本人の状態によっては住み慣れた動物園に戻す、って選択肢も残されるべきだと思うのですが。
それにしても裁判起こした人達は、よりによってどうしてこんな若くないオランウータンを対象にしたのか。
せめて十代の若い個体なら、まだ新しい環境に適応できる余地があっただろうに。


----------------------以下過去記事----------------------

今更ですが、この話題、かなりネット上で話題になったようなので、ここに関連情報と私見を掲載しておきます。

アルゼンチンの裁判所、オランウータンに「人権」を認める
2014.12.24 WED WIRED NEWS (US)

オランウータンにも「人権」 南米の裁判所、解放を命令
2014年12月24日11時30分 朝日新聞

「オランウータンにだって人権はある」アルゼンチンの裁判所は認めた
2014年12月24日 17時32分 JST The Huffington Post


大型類人猿に人権を認めよう!という運動は、1990年代から欧米の一部の研究者、動物愛護の活動家によってはじめられたもので、新しい考え方ではありません。
例えば、ニュージーランドでは1999年の動物福祉法の改正で、「人間ではないが人間に準じる存在」として、大型類人猿を研究、実験、教育での使用を禁止しています。
ちなみにニュージランドではこの法律が施行される前から、大型類人猿が国内の動物園や研究施設で飼育されていなかった為、実施にあたって大きな混乱はなかったようです。

参考:
ALIVE海外ニュース (1999年10月). “大型類人猿の法的権利を認める
Wikipedia「動物の権利」


それから大型類人猿に人権を認めるべきである、という主張について、下記のような書籍が出版されています。

パオラ・カヴァリエリ他(著)(2001)「大型類人猿の人権宣言」昭和堂
※原著「The Great Ape Project: Equality Beyond Humanity」の出版は1995年です。


大型類人猿の権利宣言
昭和堂
パオラ カヴァリエリ
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個人的には、大型類人猿だけでなく、ヒト以外の生物を、生物の一種でしかないヒトの作ったルール(人権)の中に押し込めること、に疑問を感じます。
と同時に、そもそも「人権とは何か」という根源的な問いとしては、考える価値のある課題だとも思います。
「意志表示ができない」、「義務や責任を果たせない」など、「○○できないから権利がない=義務を果たせない者には権利はない」という考え方は、「人権」という概念の根本的な否定につながりかねません(そこを理解していない人がかなりいることを、はからずもこの話題はあぶり出したように思います)。


理念の問題とは別に、動物愛護や野生動物の保全における方法論という面でも、私は今回の手法には疑問を感じます。
野生下で生まれて、現在劣悪な飼育環境下にある個体を、野生に返しなさい、というならまだしも、動物園生まれの動物園育ちの個体を、オランウータンの本来の生息地ではない、南米の自然保護区に放せ、というのは、ある種の「虐待(人権侵害)」です。
私はリハビリテーションセンターに保護されたオランウータンも多く見ていますが、野生生まれの個体でさえ、幼い時に母親から引き離され、人間に育てられたら、野生に戻るのは容易ではありません。

仮にこの裁判の対象となったオランウータンのサンドラを本当に保護区に放すなら、何年にもわたって、多大な費用と人手を投入して、モニタリングや保護区の中で自力で生きていく為のサポートをしなければならないでしょう。
どれだけお金や人手をかけても、サンドラが保護区の中で人の手を借りずに生きていけるようになる、という保証もありません。
オランウータンの生息地では、今でも生息地を破壊され、住処や食べ物を失った個体や、劣悪な環境で飼育されている個体も沢山います。
サンドラの為に費やすお金や人手を、こうした本当にひどい状況に置かれたオランウータンを助ける為に使えないのか、と個人的には思います(裁判費用を含めて)。

総合的に見て、私はこの裁判を起こした人達は、本当にオランウータンを愛しているのか、オランウータンの為を思って行動しているのか、疑問にも思います。
「人権」そのものについて議論したいという、人間の為の活動にオランウータンを利用した、もっと悪く言うなら、単なる売名行為か動物愛護団体の資金集めの一環ではないか、と疑いたくなります。

続報が報道される事は期待できないように思いますが、アンテナははっておきたいと思います。


--------------------
続報が報道されました。やはり保護区への解放は簡単ではなさそうです。

動画:自由権得たオランウータンの解放、「不可能に近い」
AFP: 2015年05月22日 17:32 発信地:ブエノスアイレス/アルゼンチン


これに関連する話題として、アメリカではチンパンジー2頭に人権が認め、大学の実験施設から解放すべきである、という訴えが州最高裁で争われています。

チンパンジーの「人権」裁判 ニューヨーク州最高裁へ(映像)
ロイター:5月28日(木)15時19分配信

「人権」ある? 研究用チンパンジーに「人身保護令状」の仰天
産経ニュース: 2015.5.3 18:00

ニューヨーク州でチンパンジーの「人権」を認める判決がくだされる
Technity:  2015年4月21日 22:40

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