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zoom RSS 【読書】 「ヒトの子育ての進化と文化」

<<   作成日時 : 2011/10/04 14:57   >>

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タイトルにひかれて買ったこの本、とっても良かった!





「アロマザリング=母親以外による子育て」をテーマに、動物、狩猟採集民、日本の中世・近世、アフリカの牧畜民、スウェーデン等々、色々な社会において、いかに人間の子育てが「母親以外の人々」が関わることで成り立っているか、を解き明かしている。

想定されている読者は、普通のお母さんといようりむしろ、研究者や子育て支援の専門家・関係者、行政担当者などのようで、文献情報は豊富だけど、文章はちょっと固い。
でも内容は、子育てに悩むお母さんやお父さんにぜひ読んでもらいたい!
この内容で「子育てハッピーアドバイス」シリーズみたいに、イラスト入りで手にとりやすく、わかりやすい本が出たらいいのになぁ〜


特に第10章「子どもの安全とアロマザリング(山中龍宏)」と第12章「養子縁組における育て親のアロマザリング(冨田庸子・古澤ョ雄」は、ぜひ小さい子をもつ両親や、これから親になる人達に読んで欲しいと思う。

「子どもの安全とアロマザリング」では、「日本では、今までの何十年、そしてこれからの十年も子どもの死亡原因の第一位が『不慮の事故』であり、毎年同じ年齢の子どもについて、同じ事故が同じ頻度で起る。適切な予防措置をとれば、もっと事故は防げるはずなのに、今の日本では実質的な予防はほとんど行われていない。」というのが著者の主張。
現在「予防」と称している活動、「油断は大敵、くれぐれも目を配りましょう」などの標語の入ったリーフレットや育児雑誌の記事は、予防ではない

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「事故を見ていた保護者は、自分が不注意であったことに責任を感じ、製品や環境の問題点を訴えることはほとんどない」(p214 )
「傷害のために受診した子どもの保護者に対し、『注意したはず』、『親の不注意だ』と叱る医師がいあるが、それは予防ではなくみずからうっぷんを晴らすだけで何ら効果はない(山中, 1999b)」(p215 )
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親が24時間、365日、注意するなんて不可能。
不注意を責めるよりも、どの年齢の子どもが、どういう環境(状況)で、どような事故が起きるのか、事故例の具体的な知識を持ち、子どもが事故にあわない環境を整える方が、ずっと重要。

私は自治体が行っている離乳食教室に行った時、「子どもはトイレットペーパーの芯に入る大きさのものなら、何でも飲み込む(誤飲の原因になる)と覚えておいて下さい。」という安全指導を受けたけど、これが今までで(私にとって)一番役に立った、行政が提供する子育て情報だった。

娘はまだ大きな事故を起こしたことはないけど、もし何か事故が遭ったら、国民生活センターに連絡しようと、この本を読んで心に決めました。
というか、実はこの本を読んでから、初めて国民生活センターの「子どもの事故」のページを見ましたが、予防に欠かせない情報がいっぱい。
役に立たない標語の入ったリーフレットを配るより、「国民生活センターの『子どもの事故』情報を定期的にチェックしましょう」、「事故が起きたら国民生活センターに連絡しましょう」って保護者に訴える方が、よっぽど効果的な予防なのでは?

娘が定められた使用方法とは違う方法で製品を使って、ケガをした場合、娘と同じ年頃の子どもが同じような誤使用をする可能性は高い。
こうした情報が蓄積されていれば、メーカーが製品を改良することもできるだろうし、保護者も気をつけることができる。
でも情報が蓄積されなければ、同じことが全国で、その後も何年間にもわたって、何度も何度も繰り返される。
保護者の不注意を責めることは、何の解決にも、予防にもならない。


第12章「養子縁組における育て親のアロマザリング」は、子どもを育てられない母親と養子を希望する夫婦を仲介するNPO「環の会」の活動を中心に紹介している。
環の会では、養子を希望する夫婦に厳しい審査を課していて、説明会に出席して実際に養子をとるにいたる夫婦は10組に1〜2組程度の割合いでしかない。

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「跡継ぎが欲しい、産めなかった事実を隠したい、欠如感、喪失感、満たされない夫婦関係などを埋めたい、といった『家のため』『親のため』にではなく、本当に『子どものため』にすべてを受け入れて育てていく心の準備ができているのかが、複数名の目によって問われる。」(p256)
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「育てていく心の準備ができているかを問われる」過程は、子ども育てている人には胸に迫るものがあると思います。
私も子どもを育てる前だったら、この部分はさらっと流して読んだかもしれないけど、今は何度も読み返してしまいました。
この章を読むと、日々に家事や目の前の子どもの世話に追いまくられる毎日の中で、ちょっと立ち止まって、子育ての意味をかみしめることができます。





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