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zoom RSS 【研究】 オランウータンはナマケモノに次ぐ倹約家

<<   作成日時 : 2010/11/30 14:27   >>

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最近、育児の話題が続いたので、たまにはオランウータンの話を。
今年になって、おもしろい論文が出版されました。

Pontzer H.他(2010)「オランウータンにおける低エネルギー・スループットへの代謝適応」全米科学アカデミー紀要107巻pp14048-14052

Pontzer H, Raichlen DA, Shumaker RW, Ocobock C, Wich SA (2010) Metabolic adaptation for low energy throughput in orangutans. Proceedings of the National Academy of Sciences 107:14048-14052


アメリカのアイオワにある、大型類人猿のサンクチュアリGreat Ape Trustで、オランウータンの一日のエネルギー消費量(DEE:Daily Energy Expenditure)を調べたところ、哺乳類(有胎盤類)の中では、ナマケモノに次いで2番目に低い値だった、という報告です。

オトナ雄(30歳、116.6kg):2,052 kCal
オトナ雌(27歳、55.0kg):1,628 kCal
オトナ雌(19歳、53.2kg):1,570 kCal
コドモ雄(4歳、25.5kg):1,255 kCal
※全頭、スマトラとボルネオの種間雑種

ヒト(成人:3,000〜3,500 kCal)よりもはるかに低い値です。
(ちなみにナマケモノは4.15kgの個体で130.3 kCal、51.1kgのオットセイは8627.9 kCal)

この論文では、野生オランウータンの生息地である東南アジアの熱帯雨林では、食物(果物)の生産量の変動が激しいので、こうした過酷な環境で生き延びる為に、極限までエネルギーを節約するような体に進化したのではないか、としています。
また、オランウータンは哺乳類の中では最も出産間隔が長い種として知られています(6〜9年に1回しか出産しない)が、この長い出産間隔も、繁殖にまわすエネルギーを節約しているからだろう、と結論づけています。

また「飼育下では、オランウータンの1日のエネルギー消費量は非常に低いので、(十分なエンリッチメントを施しても)カロリー過多や肥満になりやすい。この論文で報告した値をもとに、与える餌の内容を十分検討して欲しい。」とも書いてありました。

ちなみにこの研究をする為に、オランウータンに試料入りのアイスティー(無糖)を飲ませてから、尿を採取する、という方法をとっているのですが、「(飼育係が手にもった)紙コップに尿をするようにトレーニングしたので、不純物が混入していない尿サンプルをとることができた」とありました。
ココで一応、付録の写真が見られるようです(論文本体は、有料サービス)。

サンプル数が少ない+対象が種間雑種、というのが惜しい。
ボルネオ/スマトラの比較も見たいけど、DEEを測定するのは結構大変そうなので、追試は難しいのかもなぁ。








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