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zoom RSS 【研究】 アンフランジ雄からフランジ雄への変化

<<   作成日時 : 2009/11/14 11:26   >>

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昨日は久しぶりに外国からのお客さんと研究について話をする、という機会があった。
お会いしたのは、SAGAシンポジウムに招待された、シカゴ動物園のCarol Sodaroさん。
北米のオランウータン種保存委員会のアドバイザーで、オランウータンの飼育に携わって20年以上の経験があるベテラン。

娘を実家に預けての外出だったので、ゆっくりお話はできませんでしたが、興味深いエピソードを聞くことができました。
彼女が担当していた1頭のフランジ雄(顔の両脇にでっぱりがあるオトナ雄)が、他の動物園に移ったところ、そこのキーパーが非常に高圧的な人で、その雄は(おそらく多大なストレスのせいで)1年でフランジもノド袋も小さくなってしまった(アンフランジ雄に戻ってしまった)。
しかもシカゴ動物園に戻ってきたら、またフランジに戻った!そうです。
彼女もフランジ雄がアンフランジ雄に戻って、しかもまたフランジ雄になった例は、この一例しか知らない、と言っていました。

野生では、ライバルとのケンカに負けたフランジ雄のフランジが小さくなった、というエピソードをCheryl Knottが報告していたことがあったなぁ
Knottの例は写真を見せてもらったけど、彼女が言うほど小さくなったようには私には見えなかった。
けど、Carolの話では小さくなったなんてレベルじゃないようだし(「若い頃に戻ってしまったの!」と言っていたし)。

でもアンフランジ雄がフランジ雄に変わる時のホルモンの変化を調べた研究(Maggioncalda
et al. 1999)では、「雄が変化する時にテストステロンの値が急上昇する。このような高レベルのテストステロンは健康に悪影響を及ぼすので、一生のうちに何回もこのような変化に耐えることはできないだろう(=アンフランジ→フランジの変化は不可逆的)」と考察されていた。

アンフランジ→フランジは基本的には1回限りだけど、状況によってはアンフランジ←フランジに戻ることもあり得る、ということなのかなぁ

アンフランジ雄↓
画像


上の個体がフランジ雄になった時の写真↓
画像

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コメント(6件)

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動物園の個体は栄養状態が良いから…
フランジ→アンフランジ→フランジ
の可逆(回帰?)的変化が可能だったのでわないだろうか?
Dr.Satoru
2009/11/14 13:45
興味深い話ですね。(って、素人から言われても…とおもいますか?)
人のオスの場合、1年で1%づつテストステロンが減るのが普通だけど、ストレスで副腎の機能不全になると激しく減って、鬱症状が出るという。中高年の鬱の半分はそれが原因であろうという論文があるそうな。
オランウータンでは鬱とかの症状が出るのでしょうか?
眠れないとか食べたくないとかやる気がでないとか?
岩田です
2009/11/14 14:09
>Dr. Satoruさん
動物園は栄養状態がいいというよりむしろ栄養過多かも(肥満になって野生より寿命が短いことも多い)。
むしろ飼育下では逃げようがないから、というのが変化の理由なのかもしれません。

>岩田さん
フランジ雄は「鬱っぽい」と言われることもあります(苦笑)
野生では、確かに他の個体とほとんど関わりをもたないし、興味や喜びを示すことも少く、寝ている時間も長いし。
もちろん、個体差がありますが…
特に飼育下だと、子どものオランウータンと一緒に遊ぶフランジ雄もいます。

飼育下のチンパンジーで、鬱病のような症状を呈していた個体に、人間用の鬱病の治療薬を投与したら、症状が改善した、という報告を聞いたことがあります。
本来群れで暮らすチンパンジーを、単独で飼育すると、心の病になってしまうことが多いようです。
nouko
2009/11/14 19:44
以前、横浜の野毛山動物園に一人で飼われていたオトナオスのチンパンジーは鬱っぽかったねぇ〜
檻の奥でポツンと体育座りしてて…
チンパンジーらしい活発さが全く無かったっけ。
Dr.Satoru
2009/11/15 05:34
興味深い話をありがとうございます。
SAGAは、素人ながら参加したいところですが
今回は、九州なのと
土日仕事があり諦めです。

多摩のキューさんのフランジが小さくなったという
話があり、キューさんびいきの私としては
気になるところです。
モテモテのボルネオさんの影響もあるのでしょうか。
また、ポピーくんは
キューさん、ボルネオさんといて
どう成長していくのか気になります。
私なりに見続けたいと思います。

たくさんの情報、楽しみにしています。
orangutansmomo
2009/11/15 16:21
>Dr. Satoruさん
チンパンジーは、群れに入れようとしても、空気読めない(挨拶がきちんとできない)個体は、リンチにあったりするので、容易には群れにも入れられないところでしょう。
そういう個体をこれ以上増やさないようにするべきなんでしょうが、未だにテレビ等で、子どものチンパンジーとかをおもしろおかしく使っているのをみると、ひどいことをするなぁ、と思います。

>orangutansmomoさん
私もキューのフランジが小さくなったという話は聞きました。
写真などで比べて、一目瞭然な位小さくなってしまったのでしょうか…

ポピーくんのこれからの変化は注目ですね。
ボルネオと一緒に放飼場に出ていたこともあるので、多分、なかなかフランジは大きくならないだろうと思いますが。
nouko
2009/11/16 12:57

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