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zoom RSS 【育児】 授乳とバースコントロール

<<   作成日時 : 2009/10/05 17:22   >>

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動物では、授乳している間は妊娠しないというのが一般的だけど、ヒトの場合は
「最近は栄養状態がいいから、授乳中も妊娠する」
「出産後、1回も生理がこないで妊娠する場合もあるから、ちゃんと避妊するように」
といったことがよく育児書などには書いてある。

しかしこれ、色々調べてみたところ、栄養状態よりむしろ授乳の間隔がキーポイントらしい(もちろん、栄養状態の影響もゼロではないだろうけど)。
授乳間隔が4時間以上あくと、排卵を抑制するホルモンの分泌が減り、排卵が起きてしまう。

実際にLAM(Lactation Amenorrhea Method)という避妊法がある。
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赤ちゃんが母乳だけを飲んでいる場合は(時として1年以上)お母さんが無月経だっ たり月経不順になることはよく
見られます。特に出産後 6ヵ月間はお母さんの排卵が 始まる確率は非常に低いと言われています。(これを授乳
性の無月経と言います)そのため授乳しているだけで自然の避妊ができると言われています。ただしこれを確実 な避妊法として使うには次の条件をすべて満たすことが必要です。

1. 出産後6ヵ月以内であること
2. 赤ちゃんは母乳だけを飲んでおり,他のもの(人工乳,果汁、おしゃぶりなど) を与えられていないこと。
昼間は4時間、夜間は6時間以上空けないで、赤ちゃんの欲しがるときに欲しがるだけ授乳していること。
一日最低6回以上は授乳していること。
3. 無月経であること(出産後56日以降,性器出血がまったくない)

30ヵ国以上の実施報告で避妊効果は98.8〜100%と言われています。

日本ラクテーション・コンサルタント協会より
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狩猟採集社会では、特に避妊していなくても、出産間隔が4年になっている。
これは赤ちゃんが大きくなっても、1時間に何回も授乳(1回あたりの授乳時間は短い)しているからだ、といわれている(狩猟採集民の子育て)。

ということは、初期のヒトの女性が経験的に「授乳間隔が短いと妊娠しないと」と知っていたら、意識的に出産間隔をコントロールできていたかもしれない。
赤ん坊が0〜3歳の間の期間限定だけど、手軽で確実な避妊方法だよなぁ〜

でも!この方法には落とし穴も…
母親がいくら頻回授乳しようと思っても、赤ん坊の側が受け付けない場合があるかも。
実際うちの娘も、そろそろ3時間ぐらい経つからと、授乳しようとしても、最近は飲まないことがある。
狩猟採集民のように、産まれた時から母親が、「頻回にするかわりに1回の授乳時間は短く!」という授乳のペースを作ってしまえば、赤ん坊はそういうものだと思って受け入れるのか?

動物では離乳の時期(タイミング)を巡って、母と子の間に葛藤が生じるということが知られている(母親がより多くの子を産むために、上の子への授乳をやめようとしても、上の子にとってはもう少し長く授乳してもらえる方が、自分の健康状態を向上させることができるから)。
ヒトの子供が、年子や年が5歳以上離れていると下の子にあまり焼きもちをやかないけど、3歳違いが一番焼きもちを焼く、という話も、この離乳をめぐる母と子の葛藤のあらわれだろうと言われている。

この理屈でいくなら、ヒトの赤ん坊は、母親が早く下の子を妊娠しないように、頻回授乳を求めた方が適応的(進化上生き残るの有利な性質)なはずだけど、どうもそうなってはいないみたい(少なくとも個体差がかなり大きい)。
やはり授乳間隔のコントロールは母親の独断場で、子がコントロールするのは難しいのか…

ヒトは大型類人猿に比べて多産になるように進化してきたから(捕食者が多いサバンナで生き残る為)、母親が早く次の子を妊娠できるように、頻回授乳を求めない(授乳間隔があいても十分発育できる)性質が選択されてきたのか?
現代の狩猟採集民は、ヒトが大型類人猿の頃から持っている古い性質(頻回授乳で排卵抑制)を人口調整の為に積極的に利用している、とみるべきか。


それにしても、避妊効果98.8〜100%というこんなに効果的な避妊法LAMが、(少なくとも日本では)きちんと知られていないのはなぜ??
ネットで検索したり、出産経験のある人と話しても、この避妊法をきちんと知らない人の方が大多数。
母親学級とかできちんと教えるべきでは?


おまけ
最近では、古人骨から授乳期間や離乳食を食べていたかどうかが調べられるらしい。

下見光奈「古人骨の同位体分析による授乳習慣の復元
東京大学 大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 人類進化システム分野
2008年修士論文

縄文人の段階ですでに離乳食があったのか…

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【育児】 狩猟採集民の子育て
先日のブログ(授乳とバースコントロール)に狩猟採集民の子育てについてちょっと書きましたが、元ネタの文献はコレ↓です。 ...続きを見る
オランウータン・ブログ
2009/10/16 21:44

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
非常に面白い内容ですね。
以前私が児童心理で習った30年程前には、2才ギャップが一番やきもちを焼く。というのも嫌という感情が現れるのがその頃だからと習いました。3歳説の説明は何ですか?知識のアップデート希望です!
岩田です。
2009/10/05 20:46
3歳説、私は何かの本で読んだ気がするのですが、出典が思い出せないので、削除しました。

チンパンジーでは母親が発情を再開すると、子供が交尾を妨害します(効果はあまりないみたいですが)。これは次の子が生まれるのを遅らせて、少しでも長く母親が自分の世話してくれるようにしようとしているのだ、と言われています。
チンパンジーの場合、弟妹が生まれると、母親は弟妹にかかりきりになり、上の子が割って入って焼きもちを焼く余地はないので、弟妹が生まれること自体を防ごうとするみたいです。
nouko
2009/10/06 06:59
私のまわりは2歳差の兄弟が多いのですが、母親のとりあい、赤ちゃんがえり、下の子への妨害がどの家庭もあり、お母さんが苦労しています。
3〜4歳ちがうと、上の子ががまんするようになるようです。

狩猟採集民の話、面白いですね。どこの地域でもの話なのでしょうか?

確実な避妊方法だとしても、6ヶ月の間、4時間おっぱいをあけない、というのはけっこう無理な話なので、きっと避妊方法としてあまり紹介されないのだと思います。

4時間ぐっすり寝ていてくれることがあったら、ありがたいからもちろん起こさないし、4時間ぐらいあずけて出かけなくてはいけない用事が普通出てきてしまうものでしょう。

色んな研究があるんですねぇ。
みやこんぶ
2009/10/07 17:48
みやこんぶさん、こんにちわ!
何歳差だと一番焼きもちを焼くのか、ちゃんとそれなりのサンプル数集めれば、傾向出てきそうですけどね。
母親以外の養育者(父親や祖父母などの親族、共同体のメンバー)がどれくらいいるかで、母子間の関係が違う、という研究が、狩猟採集民(アフリカのピグミーだったかな?)であったと思います。
赤ちゃんがえりとかも、単純に年齢だけではなく、そういう環境要因も効きそうですよね。

頻回授乳して出産間隔が4年というのは、アフリカのカラハリ砂漠に住むサンだったと思います(今、手元に資料がないので、後で確認します)。
狩猟採集民で出産間隔が4年、というのは結構多くの地域で共通しているみたいです。今度関連資料を確認して、アップデートします。

私もLAM法は実践するのが難しいから、教えないんだろうな、とは思いました。
でも授乳中は妊娠しないとか妊娠するとか、曖昧な情報が飛び交うぐらいなら、どうすれば排卵が抑制されるのか、をきちんとお母さん達に(お父さんにも)伝えることは大事だと思います。
その上で他の避妊法をとるなり、LAMを実践するなり、は各自の判断で行えばよいですし。
正しい知識が持ってないってことが、一番問題かなと。
4時間以上授乳間隔があくと、(1回も生理がこなくても)産後2ヶ月だろうが3ヶ月だろうが、妊娠してしまう可能性があるのに、それを知らない人は結構多いみたいなので。
nouko
2009/10/07 19:33

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