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zoom RSS 【日記】 動物園の類人猿の出産に思うこと

<<   作成日時 : 2009/06/08 13:58   >>

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満月パワーは期待していたような効果はなく…相変わらず陣痛待ち。
自分はコツコツ仕事をすればいいので、予定日を超過していることもあまり気にならないのだけど、むしろ家族がかわいそう。
一番かわいそうなのは、いつ呼び出しがかかるかわからない旦那(週末の予定も立てられないし)、里帰り中なので、実家の家族も待機状態で気の毒。
親戚や知人からの「まだなの?」コールも家族がほとんど受けてくれているし。


一昨日ぐらいまでは頑張って仕事をしていたのだけど、昨日はちょっとだれてきて、やる気が低下。
でも出産後の体験記を色々読んでいたら、「生まれたら、どんなトラブルが起きるかわからない!どのみち今のようなペースでは仕事できないんだから、今のうちにできるだけ仕事しなきゃ!」という気分になった。


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仕事柄、自分の妊娠経験を類人猿と引き比べてしまうけど、最近またひとつ理解できたような気がすることがあった。
動物園では時々、母親が生まれた赤ちゃんを乱暴に扱ったり、場合によっては殺してしまうこともある。
以前は「飼育下の異常行動の一種」として、私自身もたいして気にとめていなかったけど、今なら理解できる気がする。
つわりに苦しみ、胎動でしんどい思いをして、さらに陣痛の痛みを経て、なんだかわけのわからないものが自分の体から出てきたら、「これのせいで私は今まで苦しい思いをしていたのね!」と思って、噛みついたり、床にたたきつけたり、触らない(触りたくない)、というのもよくわかる。
さながら、赤ん坊は寄生虫や病原菌みたいなものにみえることでしょう。

私自身は妊娠中にそれほど苦しい思いをしている方ではないけど、胎動で肋骨が痛いとか、胃が圧迫されて苦しいとか、そういう経験を赤ちゃんへの愛情に転換できるのは、「ここに赤ちゃんがいる!」、という知識があってこそのような気がする。
何も知らなかったら、気持ち悪いし、気味も悪いし、不安だし、原因を憎みこそすれ、愛情なんか持てない!
もちろん、まだ出産を経験していないので、出産して赤ちゃんと対面すれば、自然と愛情はわいてくるのかもしれないけど…

妊娠中の苦しさを理解できなくても、過去に赤ん坊を見ていて、かつその赤ん坊をかわいがっている母親の姿を見ていたら、(それまで苦しい思いをしていたとしても)「あぁ赤ん坊はこうやって生まれてくるのか」と理解できそうな気がする。
特に初産の類人猿で、社会経験が乏しかった場合、出産前に映像でも画像でも実物でも、とにかく赤ん坊を見せて「教育」しておくことは、しないよりはずっとマシなんだろうなぁ、と思う(実際に今はたいていの動物園でそういいうことをしている)。例え当の妊婦(?)がそうした映像に全く関心を示さなくても、やらないよりはずっといいはず。

あとは妊娠して知ったのは、母乳を出すのは結構大変だということ。
最初のうちは量もなかなか出ないし、頑張って飲ませないとますます出なくなるらしい。
類人猿でも、「お乳を飲ませられないから」という理由で人工哺育になってしまうことがあるけど、人間の事例を参考に、乳房のマッサージとかもした方がいいんじゃないだろうか。
そもそも類人猿の妊娠・出産にまつわるトラブルが起きると、獣医だけではなく、人間の産婦人科の先生の助言を仰ぐということは珍しくないし(生物学的にも類人猿の生理は、他のサルよりむしろ人間に似ている)。

最近の類人猿の飼育マニュアルでは、雌が妊娠した場合、関係者(飼育担当者&獣医&ボランティア&その他のスタッフ)でプロジェクトチームを作って、その雌の履歴をもとに(生育歴、他個体との社会交渉の経験、病歴、等々)、起こりそうな事態をいくつも想定し、対応策を含めた「バース・プラン」を作ることが推奨されている(特に初産の場合)。
このプロジェクトチームには、出産経験のある(人間の)女性スタッフも入った方がいいのではないだろうか。
本人自身の経験だけでなく、妊娠・出産を経験すると、色々な人から色々な話を聞く機会が多いので、出産経験のない人に比べて、情報量が豊富。

欧米では動物園の飼育担当者はかなり女性が多いけど、日本では(昔に比べれば増えてきているとはいえ)女性職員自体が少ないしなぁ(さらにその中で出産経験がある人って、どのぐらいいるのだろう?)。
直接類人猿を担当していない人でもいいから、その「出産プロジェクトチーム」にだけでも、出産経験のある女性の意見も取り入れるのは、きっとプラスになると思う。

もちろん、日本でもそういうことを実践している人達がいるだろうとは思うけど、私自身も専門家の端くれで、かつ女性にも関わらず、あまりにも妊娠・出産に関する具体的な情報を知らなかったことを、この1年の体験で痛感したので、ココに書いてみました。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
私はすごい夜泣きをする子だったらしいのですが
「今考えると母乳全然でなかったからおなかすいてたのね〜」だそうです。反対に妹はミルクだったのですが規定量を飲むまで許さなかったそうです。
…も少し中庸とか調整とか観察とか…。
アオキ
2009/06/08 14:32
妊娠も育児も子育ても個人差が大きいので、色んな話が語られるんですよね。
私自身は混合で、飲みすぎ…1歳頃は赤ちゃん椅子からはみ出るくらい太ってた写真があります。検診でお医者様に「飲ませすぎ」と注意されて、母が「でも欲しがるんですと」私のせいにして反論したという話があります!どんな逸話を残す赤ちゃんが生まれます事やら、楽しみですね。
類人猿の母親教室(出産ビデオ観賞)が行われていたとは…動物園って大変ですね何かと。
岩田です
2009/06/08 14:58
イツキの時は、生むまでのつわりのために、赤ちゃんは苦しみの塊に見えて、全然かわいく見えなくなり、
生まれた我が子すら、悲しいことに、笑うまではすごくかわいいと思った覚えはありません。
ただ自分が生き物だということをヒシヒシと感じたのは印象的でした。

母乳はよくでましたが、乳首が痛くて大変でした。
出産後は色々なトラブルが待ち受けています。
腱鞘炎にもなりやすいので、お仕事なかなかできいかもしれませんし、寝不足にもなりますから・・・。

私にとって陣痛の恐ろしさは、痛みの度合いはもちろんですが、いつまでこの痛みが続くかわからない、というところでした。
みやこんぶ
2009/06/08 15:39
アオキさん、岩田ですさん、みやこんぶさん、コメントありがとうございます。

アオキさん
子どもが生まれる度に試行錯誤するのは、人間も類人猿も同じでしょうが、人間はなまじっか情報がある分、極端から極端に走ってしまうのかも…それとも単に性格の問題なのか…

岩田ですさん
私は一応完全母乳を目指して頑張るつもりですが、こればかりはやってみないとわかりませんよね。
でも母乳が出なかったら、「無駄に大きなムネだ!」と自分でも思うに違いない…

みやこんぶさん
妊娠中や出産直後に赤ちゃんに愛情を感じるのって、かなりの部分思い込みというか、自己暗示では?と私も思っていました。
オランウータンの赤ちゃんをかわいいと思う感性が自分にあるのだから、我が子の笑顔を見れば、きっと愛情も感じられるだろう、と思っているのですが。

ちなみに私、すでに数年前から腱鞘炎を患っていて、かかりつけの整体の先生からは「陣痛は全身の神経系を再編成するから、腱鞘炎が完治するかもしれないし、逆にひどくなるかもしれない」と言われています。
nouko
2009/06/08 21:55
私自身は、そもそもない胸が大きくもならず大丈夫か?と思ったら案の定ほとんど母乳は出ませんでした。大きくなっているなら乳腺もスタンバイOKと云う所で出そうですね。うらやましい限りです。眠い中起き上がってミルク作らなくってもいいんだから楽だな〜と、うらやましく思ってました。子供にも免疫的に良いですしね。でも自然な育児の為に不自然な無理はしないでね。
岩田です
2009/06/08 23:54
私も胸が大きければ、沢山母乳が出るのかと思っていたのですが、助産師さんには「出産前の胸の大きさは、お乳の出とは関係ありませんから!」と言われ(゜◇゜)ガーン
「最初は大変だけど、あきらめず頑張れば出るようになりますからね」とも言われたので、頑張ろうと思っています。もちろん、赤ちゃんの健康が第一ですが。
nouko
2009/06/09 13:12

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