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zoom RSS 【研究】オランウータンの認知科学研究がすすまない理由

<<   作成日時 : 2008/11/22 22:21   >>

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このところ、SAGA-HOPEシンポジウムや京大のgCOEシンポ、シンポに招待された外国人の研究者の接待などで、多忙を極め、ブログの更新が滞ってしまいました。
すいませんm(__)m

この間にオランウータンの認知科学の研究をしている、ロバート・シューメーカー(Robert Shumaker)さんと話をする機会があったので、「オランウータンの認知科学の研究が少ないのはなぜだと思う?」と質問してみました。

「いくつか理由があると思うけど、一つは、少なくともアメリカでは、オランウータンを飼育している施設はチンパンジーを飼育している施設より少ないので、研究の機会に限られていることが一因だろう。それにオランウータンは(チンパンジーと比べて)賢くないと思われている。さらにオランウータンを対象に研究するのは、とても忍耐が必要だからだろう。オランウータンはなかなか感情を表に出さないし、信頼関係を築くまでに時間もかかる。」

というのが彼の答えでした。
その場にいた、オランウータンを対象に研究した経験のある人達は、みんな激しく同意。
「そうだよねぇ、オランウータンは忍耐が必要だよね。」
ちなみに野生オランウータンの研究者のスッチ・ウタミ(Suci Utami)さんも「私は『忍耐』をオランウータンを調査していた学んだ」と言っていました(私も同感)。

さらに、彼はチンパンジーをグルーミングした時と、オランウータンをグルーミングした時の反応の違いを実演してくれました。
オランウータンは、彼がグルーミングを止めると、「ここをグルーミングして」というように、そっと肩を少しだけ動かす。
チンパンジーはグルーミングを始める前から「ココ!ココをグルーミングして!」と脇の下を指さしながら、ロバートに懸命にアピール。
「チンパンジーはものすごくわかりやすい」というロバートの言葉には、かなり実感がこもってました(笑)

ついでにゴリラについて話してくれたのですが、「彼らはとっーても繊細で、特に一頭だけ呼び出して実験するのはとっても難しい。呼び出された1頭は他の群れの仲間が気になるし、群れの仲間やシルバーバックも実験に参加している個体をとても気にする。彼らをリラックスさせて実験するのはものすごく難しい。それに比べれば、オランウータンはずっとタフだ。」とのこと。


スッチさんにもスマトラでのオランウータンの調査にまつわるエピソードを色々聞くことができて、とても勉強になりました。特に強烈だったのは、オランウータンの調査中にトラに会った話(1回だけではない)。
そんな場所でたった一人で調査をしていたなんて、小さな体をして本当にタフなフィールドワーカーです。

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コメント(2件)

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はじめまして、アオキさんに教えていただいて、いつも拝読しています。

「なんで、認知科学研究はなんでチンパンジーばっかり…」と時々感じていたのですが、そんな(ある意味)非常にわかりやすいところに理由があったとは!

「あ、なるほど!」と、大きくなっとくいたしました。
しのぶん
2008/11/23 08:32
しのぶんさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
「そもそもオランウータンを対象に研究できる機会が少ない→仮に始めてもなかなかうまくいかない→成果が出ない、諦める」
ということが繰り返されているんでしょうね、きっと。
nouko
2008/11/23 22:35

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